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リード獲得とは?研究開発型企業の実践手順

公開日 最終更新 執筆 マーケティング+編集部

リード獲得とは?研究開発型企業の実践手順
THIS ARTICLEこの記事でわかること約14分で読めます
  • リード獲得の意味と基本の整理
  • リード獲得のオンライン・オフライン施策
  • リード獲得を成功させるポイントとよくある失敗

リード獲得とは、自社の製品・技術に関心を持つ見込み顧客の連絡先情報を得て、商談につなげる活動を指します。研究開発型企業にとっては、実証実験の成果を事業化につなげる最初の接点づくりです。本記事では、SBIR・NEDOなどの採択企業や大学発ベンチャーが直面する「技術は評価されるのに売上が立ち上がらない」という課題に沿って、リード獲得の基礎から実践手順まで整理します。

1. リード獲得の意味と基本の整理

左列に「単なる名簿データ」の5つの課題、右列に「営業活動に使えるリード」の5つの条件をアイコン付きで対比した図。下部に「

リード獲得とは、見込み顧客の情報を取得し、営業・マーケティング活動の起点とすることです。研究開発型企業では、実証実験の参加者や論文・学会での接点が最初のリードになるケースが多くあります。

1-1. リードとは何を指すのか(ビジネス用語としての定義)

リードとは、自社の製品やサービスに関心を示し、将来の顧客になりうる個人・組織のことです。名刺交換や問い合わせフォームからの連絡先情報、展示会での接点などがリードの実体になります。

ビジネス用語としての「リード」は、単なる名簿データではありません。以下のような情報が揃って初めて、営業活動に使えるリードといえます。

  • 企業名・部署・役職などの属性情報
  • 連絡先(メールアドレス・電話番号)
  • 関心を示した製品・技術領域
  • 接点を持った経緯(展示会・Webサイト・紹介など)

1-2. リード獲得数とは何か・何をカウントするのか

リード獲得数とは、一定期間内に新たに取得したリードの件数です。Webサイトの問い合わせ件数、展示会での名刺交換数、ウェビナーの申込数などを合算して計測します。

研究開発型企業の場合、学会発表後の問い合わせや、実証実験への参加希望もリード獲得数に含めるべきです。カウントの基準を決めておかないと、どの施策が効果を出しているか判断できなくなります。

1-3. BtoBにおけるリード獲得の特徴

BtoBにおけるリード獲得は、BtoCと比べて検討期間が長く、関与する意思決定者が複数いる点が特徴です。製品導入までに、技術部門・調達部門・経営層など複数の承認プロセスを経る場合があります。

そのため、1回の接点で成約には至らず、リードナーチャリング(育成)を通じて関係を深める工程が欠かせません。特に研究開発型の技術は専門性が高く、意思決定者ごとに説明の切り口を変える必要があります。

1-4. 研究開発型企業がリード獲得でつまずきやすい理由

研究開発型企業がリード獲得でつまずく理由の一つは、技術の優位性と市場の関心が一致していない点にあります。実証実験で高い評価を得ても、それを「誰に」「どう伝えるか」という営業設計がないまま終わってしまうケースが多く見られます。

  • 技術説明が専門的すぎて、導入担当者に伝わらない
  • ターゲット企業の優先順位が決まっていない
  • 問い合わせが来ても、商談化の仕組みがない
  • 営業・マーケティングの専任者が社内にいない

このような状態では、実証実績があっても次の導入先につながりません。実証後の導入先開拓の進め方を整理することが、最初の一歩になります。

2. リード獲得の目的とゴール設定

リード獲得の目的は、商談数を増やし最終的な事業化・売上につなげることです。目的が曖昧なままでは、獲得したリードの質を判断する基準も定まりません。

2-1. 商談創出と事業化につなげる目的の明確化

リード獲得の目的は「名刺を集めること」ではなく、商談創出と事業化です。目的を明確にすることで、獲得すべきリードの条件(業種・企業規模・課題の有無など)が定まります。

目的設定の際は、以下の観点で整理すると実務に落とし込みやすくなります。

  • 最終ゴール(事業化・初号機導入・量産契約など)を明文化する
  • ゴールから逆算して必要な商談数を算出する
  • 商談数から逆算して必要なリード数を算出する

2-2. SBIR・NEDO採択後に直面する事業化フェーズの課題

SBIR・NEDOなどの研究開発補助に採択された企業は、補助事業の終了後に事業化の壁に直面します。研究開発のフェーズでは技術評価が中心ですが、事業化フェーズでは市場での売上実績が求められます。

採択から資金調達や売上に至る過程には、継続的な営業活動が必要になります。研究開発補助の採択企業の方へ向けた支援の考え方も参考になります。

2-3. 技術の強さと売上の立ち上がりが一致しない理由

技術の強さと売上の立ち上がりが一致しない理由は、技術評価と購買判断の基準が異なるためです。購買側は技術の新規性だけでなく、導入コスト・運用の手間・既存業務への影響を総合的に判断します。

観点技術評価の基準購買判断の基準
重視点新規性・性能導入効果・費用対効果
判断者研究者・審査委員調達・事業部門
時間軸単年度の成果中長期の運用

この違いを理解しないまま営業を進めると、技術説明に終始して商談が進まない状態が続きます。

3. リード獲得から顧客化までの進め方

3段階のフロー図。左から「リードジェネレーション(獲得)」「リードナーチャリング(育成)」「リードクオリフィケーション(
リード獲得から顧客化までは、ジェネレーション・ナーチャリング・クオリフィケーションの3段階で進めます。

リード獲得から顧客化までは、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの3段階で進みます。それぞれの段階で目的と手法が異なるため、混同せずに設計する必要があります。

3-1. ステップ1 リードジェネレーション(獲得)

リードジェネレーションとは、見込み顧客との最初の接点を作り、連絡先情報を取得する活動です。Webサイトの資料ダウンロード、展示会での名刺交換、ウェビナー参加などが代表的な手法です。

研究開発型企業では、学会発表や論文公開も接点作りの機会になります。以下の施策を組み合わせることで、接点の数を増やせます。

  • Webサイトでの技術資料ダウンロード
  • 業界展示会・学会での名刺交換
  • オンラインウェビナーの実施
  • プレスリリースによる認知拡大

3-2. ステップ2 リードナーチャリング(育成)

リードナーチャリングとは、獲得したリードに継続的な情報提供を行い、購買意欲を高める活動です。1回の接点で終わらせず、メールマガジンや個別の技術説明を通じて関係を深めます。

ナーチャリングの段階では、相手の検討状況に応じて提供する情報を変える必要があります。情報収集段階の相手には業界動向を、比較検討段階の相手には具体的な導入効果を伝えるといった使い分けが有効です。

3-3. ステップ3 リードクオリフィケーション(選別・顧客化)

リードクオリフィケーションとは、育成したリードの中から、購買確度の高い見込み客を選別する工程です。この段階でMQL(マーケティング部門が有望と判断したリード)とSQL(営業部門が商談化すべきと判断したリード)を区別します。

  • MQL:資料請求や複数回のメール開封など、関心の高さが見える段階
  • SQL:具体的な導入時期や予算について会話ができる段階
  • 選別基準を事前に決めておくことで、営業リソースを有望なリードに集中できる

4. リード獲得のオンライン・オフライン施策

特徴・代表的な活用・主な施策の3行×オンライン・オフラインの2列で構成された比較表。
オンライン施策とオフライン施策を組み合わせることで、リード獲得の効果が高まります。

リード獲得の実践手法は、オンライン施策とオフライン施策に大別されます。研究開発型企業は専門性の高さを活かし、両者を組み合わせることで効果が高まります。

4-1. オンライン施策(Webサイト・コンテンツ・広告・セミナー)

オンライン施策は、Webサイトを軸にした情報発信と、広告・ウェビナーの組み合わせが基本です。技術解説記事やホワイトペーパーを公開し、ダウンロード時に連絡先を取得する手法が広く使われています。

  • 技術解説コンテンツ・ホワイトペーパーの公開
  • オンラインセミナー・ウェビナーの開催
  • 検索広告・SNS広告による認知拡大
  • プレスリリースの配信

4-2. オフライン施策(展示会・紹介・学会発表)

オフライン施策は、直接対面で技術を説明できる点が強みです。展示会や学会発表は、研究開発型企業の専門性を直接伝えられる貴重な機会になります。

  • 業界展示会への出展
  • 学会・研究会での発表
  • 既存取引先からの紹介
  • 業界団体の勉強会への参加

4-3. 大学発ベンチャー・研究開発型スタートアップに合う手法の選び方

大学発ベンチャーに合う手法を選ぶ際は、研究室時代の人脈だけに頼らず、体系的な営業体制への移行が必要です。共同研究先や学会でのつながりは、最初の接点として活かしつつ、新しい接点の作り方を別に用意します。

人脈だけでは接点の数に限りがあります。学会・共同研究先の人脈に加え、Webサイトや展示会を通じた新規接点の開拓が欠かせません。大学発ベンチャーの方へ向けた営業体制の構築方法も参考にしてください。

5. 従来の営業手法とリード獲得型営業の比較

2列4行の比較表。商談の起点・再現性・スケール・商談の継続性の4項目について、従来型とリード獲得型営業をアイコンと文字で
紹介頼みの営業は属人的で限界があり、リード獲得型へ切り替えると組織的な再現性が生まれます。

従来の紹介営業とリード獲得型営業の大きな違いは、商談の再現性にあります。紹介頼みの営業は属人的で、特定の人物が離れると商談数が急減するリスクを抱えています。

5-1. 従来型(紹介・人脈頼み)の限界

従来型の紹介・人脈頼みの営業は、短期的には成約率が高いものの、商談数の拡大に限界があります。研究者や経営者個人のネットワークに依存するため、組織として営業活動を拡大しにくい構造です。

  • 紹介元の人脈が尽きると商談が止まる
  • 属人的で、営業プロセスの標準化ができない
  • 新規市場への展開が難しい

5-2. リード獲得型営業への切り替えで変わること

リード獲得型営業に切り替えると、商談数の予測可能性が高まり、組織としての再現性が生まれます。獲得・育成・選別のプロセスを分業できるため、少人数の体制でも継続的に商談を生み出せます。

比較項目従来型営業リード獲得型営業
商談の起点個人の人脈複数チャネルの接点
再現性低い高い
スケール困難仕組み化で拡大可能

5-3. 自社のフェーズに合った手法を選ぶ判断基準

自社のフェーズに合った手法を選ぶ際は、「導入実績ゼロ」の段階か「初号機導入済み」の段階かで戦略を変える必要があります。実績がない段階では実証データを前面に出し、実績がある段階では導入先の業種展開を狙います。

  • 実績ゼロの段階:実証データ・論文・特許を訴求材料にする
  • 初号機導入済みの段階:類似業種への横展開を狙う
  • 複数導入済みの段階:業界標準化を目指した発信を行う

6. 実証後に最初の導入先を見つけるための実務手順

3ステップの図解。実証実績を訴求材料に変換、営業体制づくり、リードの優先順位の順に矢印でつながり、下部に資金計画との連動
実証実績を訴求材料に変換し、優先順位をつけてリードを獲得することが近道です。

実証後に最初の導入先を見つけるには、実証実績を訴求材料に変換し、優先順位をつけたリード獲得を行うことが近道です。実証が終わってから営業を考え始めるのでは、事業化までの時間が長くなってしまいます。

6-1. 実証実績をリード獲得の訴求材料に変換する方法

実証実績は、そのまま専門用語で伝えるのではなく、導入検討者が理解できる「効果」の言葉に変換する必要があります。技術的な成果を、コスト削減・業務効率化・リスク低減といった購買側の関心事に翻訳する作業が欠かせません。

  • 実証で得られたデータを定量的な効果として整理する
  • 専門用語を、導入担当者が使う業界用語に言い換える
  • 実証先の業種に近い企業をリストアップする

6-2. 大学発ベンチャーの営業体制づくりで押さえておきたい視点

大学発ベンチャーの営業体制づくりでは、代表者だけが営業を担う状態から脱却する視点が欠かせません。代表者が研究と営業を兼任する体制では、どちらも中途半端になりやすくなります。

具体的には、問い合わせ対応と接点管理を受け持つ担当を1人決めます。あわせて、実証先に近い業種からターゲットリストを作り、接触の順番を決めておきます。

マーケティング・営業責任者が不在という課題を抱える企業は、こうした担当とリストの整備から着手することが有効です。

6-3. SBIR事業化フェーズで狙うべきリードの優先順位

SBIR事業化フェーズで狙うべきリードの優先順位は、「実証内容と業務課題が近い企業」を最優先にすることです。業種・規模・既存の設備投資状況を基準に絞り込むと、商談化までの期間を短縮できます。

  • 実証内容と業務課題が近い企業を最優先にする
  • 既存の予算枠・設備投資サイクルが合う時期を狙う
  • 意思決定者に技術部門だけでなく調達部門も含める

この優先順位は、補助事業後の資金計画とも連動させる必要があります。VCからの出資を受けている企業では、資金調達後の売上計画にこの優先順位を重ね、どの時期に何社と商談するかまで落とし込むと、事業化計画を具体化しやすくなります。

7. リード獲得を成功させるポイントとよくある失敗

4段構成の図解。ターゲット整理・CPLとKPI設定・失敗パターン・見直しチェックリストの順に矢印でつながる。
ターゲット明確化・KPI設定・失敗パターン把握の3つが、リード獲得を成功させる鍵です。

リード獲得を成功させるには、ターゲットの明確化・KPI設定・失敗パターンの把握が欠かせません。これらを事前に整理しておくことで、施策の優先順位をつけやすくなります。

7-1. ターゲットとペルソナの整理

ターゲットとペルソナの整理では、業種・企業規模・導入担当者の役職まで具体化します。抽象的な「製造業向け」ではなく、「設備更新の予算サイクルが来ている中堅製造業の生産技術部門」といった具体性が必要です。

  • 業種・企業規模・地域を絞り込む
  • 導入担当者の役職と決裁フローを想定する
  • 競合技術・既存手法からの乗り換え理由を整理する

7-2. リード獲得単価(CPL)とKPIの設定

リード獲得単価(CPL)とは、1件のリードを獲得するためにかかったコストを指します。CPLを把握することで、どの施策が効率的かを数値で比較できます。

KPI設定では、CPLに加えてMQLからSQLへの転換率も追跡すべき指標です。

  • CPL:施策ごとのリード獲得コストを算出する
  • MQL数:関心を示したリードの件数を追跡する
  • SQL転換率:商談化すべきリードへの転換率を計測する
  • 商談化率・成約率:最終的な事業化への到達度を測る

7-3. よくある失敗パターンと回避策

よくある失敗パターンは、リードを獲得した後の育成プロセスを用意していないことです。問い合わせがあっても、その後のフォローが場当たり的だと、商談に進まないまま放置されてしまいます。

  • 問い合わせ後のフォロー体制がなく、放置される
  • 全てのリードに同じ説明をして、関心の違いに対応できない
  • KPIを設定せず、施策の良し悪しを判断できない

7-4. 成果が出ないときに見直すべきチェックリスト

成果が出ないときは、獲得・育成・選別のどの段階でつまずいているかを切り分けて見直す必要があります。全体を一度に見直すのではなく、段階ごとに原因を特定することが効率的です。

  • リード数自体が不足していないか(獲得の問題)
  • リードはいるが反応が薄くないか(育成の問題)
  • 商談化できるリードを見極められているか(選別の問題)
  • KPIと実績にずれがないか(目標設定の問題)

よくある質問

Q. リード獲得とはどういう意味ですか? リード獲得とは、自社の製品・サービスに関心を持つ見込み顧客の連絡先情報を取得し、営業活動につなげることです。展示会での名刺交換やWebサイトからの問い合わせが代表的な方法です。

Q. ビジネス用語で「リード」とは何ですか? ビジネス用語の「リード」とは、将来の顧客になりうる個人・組織のことです。企業名・連絡先・関心領域などの情報が揃って初めて、営業活動に使えるリードになります。

Q. BtoBにおけるリード獲得とは? BtoBにおけるリード獲得とは、検討期間が長く複数の意思決定者が関与する環境で、見込み顧客との接点を作る活動です。1回の接点では成約に至らず、育成の工程が重要になります。

Q. リード獲得数とは? リード獲得数とは、一定期間内に新たに取得したリードの件数のことです。問い合わせ件数・名刺交換数・ウェビナー申込数などを合算して計測します。

Q. SBIR採択後、どのタイミングで営業を始めるべきですか? SBIR採択後は、補助事業の実施中からリード獲得の準備を始めるべきです。実証が終わってから営業を考え始めると、事業化までの期間が長引きます。

Q. 大学発ベンチャーが最初に取り組むべき施策は何ですか? 大学発ベンチャーが最初に取り組むべきは、代表者の人脈に頼らない営業体制の構築です。実証データを訴求材料に変換し、優先順位の高いターゲットへ接点を作ることが有効です。

まとめ

本記事の要点は、以下の4点です。

  • リード獲得は名刺集めではなく、獲得・育成・選別の3段階を経て最初の導入先と事業化につなげる活動です。
  • 技術評価と購買判断は基準が異なるため、技術部門と調達部門の両方に向けて、実証実績を導入効果の言葉に変換して伝えます。
  • 人脈頼みの紹介営業から、複数の接点を持つ仕組みに切り替えると、少人数でも商談を再現できます。
  • 最初の導入先は実証内容と業務課題が近い企業から優先順位をつけ、成果が出ないときは獲得・育成・選別のどこで止まっているかを切り分けます。

マーケティング+は、専任のチームが社外の営業・マーケティング部門として入り、最初の導入先から逆算して6か月の実行計画を設計します。初期設計で販売先の条件・順序・数字の目標を決めたうえで、電話・メール・ウェビナー・プレス・サイトを一貫して動かします。サービスについてでは、6か月の進め方や初期設計で決める内容を詳しく紹介しています。

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